グループリーグで見えた、日本の「攻撃の型」
こんにちは、ルイスです。
グループリーグ戦が終わったので、総括を、日本版と全体版の2本仕立てで行います。
今回は日本版です。
3試合を通して明らか😎になってきた西野Japanのサッカーを、ミクロ的な視点とマクロ的な視点から分析します。ミクロ的、マクロ的という言葉には様々な意味を付与できそうですが、ここでは、前者は選手の特徴の話で、後者はシステムの話と考えていただければと思います。
◯ミクロ的な視点
まずはミクロ的な視点です。
西野Japanの選手たちはどのような特徴を持っているでしょうか。
僕の主観込み込みで、目立つ選手の特徴を出してみます。特徴を表すシーンを画像で観たいところですが、それは難しいので羅列していきます。(読むのがめんどくさかったら飛ばしてください)
攻撃:ボールを受けるためのスペース創出がうまい、幅広い視野、長短を使い分けられ、かつ正確なパス、セットプレーにおけるボールの質の高さ、ボールコントロール技術の高さ、判断の良さ
守備:ファールは少し多いが敵の攻撃をしっかり食い止めてくれる→インテンシティーの高さ
攻撃:敵のギャップでボールを受ける技術が高い、攻撃にリズムを生み出せる、流動的なポジショニング、ボールコントロール技術の高さ
守備:コース限定のうまさ、豊富な運動量
攻撃:仕掛ける姿勢、中へのカットイン、タッチが細かく、柔らかい
守備:プレスをかけるかけないの判断が良い、豊富な運動量
攻撃:豊富な運動量、縦のスペースをつくスピード、熱い気持ち、瞬間移動
守備:1対1の強さ、豊富な運動量
攻撃:反転して敵と入れ替わるのがうまい、キープ力の高さ、ヘディングシュート、半端ないところ
守備:コースの限定の仕方
攻撃:スピード、運動量
守備:スピード、運動量
守備:予測能力の高さ、ポジショニングの良さ
◯マクロ的な視点
次にマクロ的な視点です。
「システム」といえば、まずフォーメーションが思い浮かびそうですが、大切なのはそこではありません。チームが、攻撃、守備、それから攻撃→守備、守備→攻撃の4つの局目においてどのような「型」、つまり、「決まりごと」に基づいてサッカーをしているのか、そこが重要であると思います。そして、チームとしての「型」は、選手の特徴(これはミクロ的な視点と関係しています)によって変化しますし、変化しないまでも、その型を実現できるかが大きく左右されます。
さて、では西野Japanは一体どのような型で戦っているのでしょうか。
今回は、攻撃の型に焦点を当てて話します。
攻撃の型
攻撃の起点は柴崎岳です。彼は広い視野を持ち、長短のパスを使い分けられる技術を持っています。長いパスによる攻撃と短いパスによる攻撃を分けて考えてみましょう。
長いパスの行先は、長友です。現代サッカーにおいては「両サイドバックが高い位置をとって攻撃参加し、ボランチが落ちてパスを供給する」という形が多いのですが、その形と似ています(ただし同じではない)。「柴崎が右サイドに流れてパスを受け、高い位置を取る逆サイドの長友にロングパスを送る」という型が出来上がっているのです。
ただし、この型を実現する上で、重要な要素があります。
それは、乾の動きです。
長友が高い位置でロングボールを受けるには、縦のスペースが空いていることと、空いてのDFにボールを弾かれないことが必要です。
その点、乾は柔軟に中央に流れていくので、相手のサイドバックを引き寄せる&長友が上がるスペースを空ける、ということができ、型の実現に貢献しているのです。
3戦目のポーランド戦で上記のような型がほとんど見られなかったのは、乾のポジションに宇佐美が入っていたからです。
乾に比べて宇佐美は中央へのポジショニング意識が薄く、サイドからポジションを変える動きをしません。そのため、長友が上がることができないのです。
短いパスに関して言えば、香川と乾の二人をあげることができるでしょう。
香川は敵のギャップでボールを受けるのがうまく、中盤でボールを保持する柴崎のパスコースをうまく作っています。
乾は、先ほど述べたような中央へのポジショニングを、ここでも活用してます。
この2人がボールを受けることで、攻撃への期待が一気に高まります。
二人とも狭いスペースをかいくぐるのが得意なので、どちらがボールを受けるにしろ、敵の脅威になることができます。
ベルギー戦ではまず間違いなく柴崎のマークが厳しくなるでしょう。そうなったときに、CBの二人がどれだけ前線にボールを供給できるか、また、柴崎とボランチを組む選手がどれだけボールを受けられるかが攻撃のカギとなりそうです。
次回はグループリーグ全体の総括を、ドイツの戦いぶりに焦点を当てつつやります。
ご精読ありがとうございました!